外国人介護人材受入れコラム
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ヒューマンライフケア株式会社の「特定技能登録支援事業」では、長年の介護事業での実績を活かし、
介護事業者様の外国人介護人材受入れをサポートしています。
このサイトでは、外国人介護人材の受入れに関連するコラムを随時更新してまいります。
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助成金・補助金制度の活用ポイントと、今度の動向は?

前回および前々回のコラムでは、国および各自治体が行っている助成金・補助金制度についてご紹介しました。
これらの情報から、大きく2つの動向がわかります。
1つは、補助金の有無や内容は自治体によって大きく異なり、事業者がどの地域で事業を展開するかによって、受けられる支援に大きな差が生じています。
2つ目には、多くの自治体で「環境整備事業」という名の包括的な補助金パッケージが増加していることです。これは、コミュニケーション支援、学習支援、生活支援を一体的に捉えるアプローチであり、特に住居支援をメニューに加える自治体が増えています。
この背景には、海外人材の定着には職場環境の改善だけでなく、安定した生活基盤の構築が不可欠であると、自治体が認識し始めていることが伺えます。
単に翻訳機を導入するだけでは不十分であり、住居の確保や地域社会との交流といった、よりホリスティック(全体的・包括的)な支援が、長期的な定着に繋がるとみられてます。
こうした行政の動向は、介護事業者の経営戦略にとっても重要な示唆を与えます。
特に複数の施設を運営する事業者にとっては、各自治体の補助金制度の充実度が、新規施設の解説や事業拡大の際の、重要な判断材料の一つとなり得ます。
また単一施設を運営する事業者にとっても、都道府県レベルの制度だけでなく、市区町村レベルの補助金制度を徹底的に調査し活用することが、人材獲得競争において優位に立つための鍵となります。
また、国の助成金と地方自治体の補助金はそれぞれ独立した制度ではありますが、介護事業者が自ら戦略的に組み合わせて活用することで、外国人介護人材の採用から育成・定着に至るまでのプロセスを強力に支援するエコシステムを構築することが可能です。
補助金ピラミッド:財政支援の階層的アプローチ
個別の支援制度を場当たり的に利用するのではなく、階層的なモデルとして捉えることで、より体系的かつ効果的な活用が可能となります。
この「補助金ピラミッド」モデルは、3つの階層から構成されます。
●基盤層=国の助成金
ピラミッドの土台となるのは、厚生労働省の「人材確保等支援助成金」と「人材開発支援助成金」です。
これらの助成金は、海外人材を含む全従業員を対象とした、公正で働きやすい労働環境と体系的な人材育成制度を構築するために活用します。
就業規則の多言語化や相談体制の整備、キャリアパスに応じた研修計画の策定など、強固な人事制度の基盤を築くことが目的です。
●中間層=都道府県の「環境整備」補助金
次に、多くの都道府県が提供する包括的な「環境整備事業」補助金を活用します。
これにより、翻訳機やICT機器の導入、介護福祉士資格取得のための具体的な講座受講料、異文化理解研修の実施など、多文化な職場を運営する上での日々の課題に対応するための具体的なツールやプログラムを導入します。
●頂点層=市区町村および特化型補助金
最後に、各市区町村が独自に提供する、より専門的かつニッチな補助金を活用します。
例えば、高額な初期費用の補助や家賃補助、職員本人への直接的な定着奨励金など、自治体により内容はさまざまですが、初期コストや住居の確保といった特定の課題をピンポイントで解決することで、他法人との差別化を図り、人材獲得競争において決定的な優位性を確保するための切り札となります。
人事戦略と「資格取得ラダー」政策の連携
政府および多くの自治体の支援策の根底には、海外人材が「技能実習」や「特定技能」からスタートし、最終的には国家資格「介護福祉士」を取得して、在留資格「介護」へと移行することで、無期限に日本で就労できる専門職へと成長していく「資格取得ラダー」を後押しする政策意図があります。
事業者は、この政策の方向性を自社の人事戦略に積極的に取り込む必要があります。
適切な申請手続きとコンプライアンス
補助金・助成金の活用を成功させるためには、制度内容の理解だけでなく、適切な申請手続きとコンプライアンスが不可欠です。
●積極的な情報収集
補助金制度は年度ごとに内容や予算、申請期間が変更されます。自治体のウェブサイトを定期的に確認するなど、常に最新の情報を入手することが重要です。
●事前承認とタイミングの遵守
多くの補助金は「交付決定前に発生した経費は対象外」という、幻覚なルールが存在します。
機器の購入や研修の申込みは、必ず自治体からの交付決定通知書を受け取った後に行いましょう。
これを遵守するためには、事業計画を早期に策定し、申請手続きを前倒しで進める計画性が求められます。
●徹底した証拠書類の管理
補助金の受給プロセスは、申請時だけでなく、事業完了後の実績報告が極めて重要です。
契約書・見積書・領収書・研修の修了証など、支出を証明するすべての書類を整理・保管しておく必要があります。
これらの書類が不備なく提出されなければ、補助金は交付されませんのでご注意ください。
●事業目的との整合性
申請書を作成する際には、計画している支出が、その目的(例:コミュニケーション促進、定着率向上)にどの用に貢献するのか、明確かつ論理的に記述することが、採択の可能性を高めます。
「育成就労」制度と今後の支援策の展望
技能実習制度は、新たに「育成就労」制度へと移行することが決定しています。
この新制度は人材育成を一層重視し、特定技能への以降を円滑にすることを目的としています。
この政策転換に伴い、外国人材向けの補助金・助成金制度も変化することが予想されます。
具体的には、新制度の趣旨に沿って、技能習得やキャリアアップに繋がる研修への支援がさらに手厚くなる可能性があります。
また、技能実習から特定技能への移行プロセスを支援する新たな補助金が創設されることも考えられます。
国の政策の大きな潮流を理解し、それに沿った人材育成戦略を構築することが、今後も継続的に公的支援を活用し、持続的な成長を遂げるための鍵となるでしょう。
長期的に安定した海外人材の雇用を希望される法人・施設様、ぜひお気軽にご相談ください。
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