外国人介護人材受入れコラム
ヒューマンライフケア株式会社の「特定技能登録支援事業」では、長年の介護事業での実績を活かし、
介護事業者様の外国人介護人材受入れをサポートしています。
このサイトでは、外国人介護人材の受入れに関連するコラムを随時更新してまいります。
66
行政書士法改正で何が変わった?
【2】「登録支援機関に任せていた」は通用しない?

前回の本稿では、2026年1月施行の改正行政書士法の概要と、外国人介護人材の在留資格手続きに与える影響について解説しました。
今回は、介護事業者が最も気になる「受入れ法人としての責任」に焦点を当てます。
結論から言えば、行政書士法違反で直ちに介護事業者が処分されるわけではありません。
しかし、だからといって無関係ではなく、受入れ機関としてのコンプライアンス体制が問われることになります。
行政書士法上の責任と、入管法上の責任は別
行政書士法の直接の規制対象は、行政書士資格が無いにもかかわらず、報酬を得て官公署へ提出する書類を作成する者です。
一方、外国人介護人材を受入れる介護事業者は、出入国管理及び難民認定法に基づく「特定技能所属機関」として、適正な受入れ体制を維持する義務があります。
それぞれ別の法律ですが、両者は密接につながっています。
受入れ法人が指導対象となるケース
出入国在留管理庁は、受入れ機関に対して報告徴収や現地調査を行い、制度が適切に運用されているかを確認しています。
例えば次のようなケースでは、受入れ機関としての管理体制に問題があると判断される可能性があります。
【CASE 1】
行政書士資格の無い者が作成した申請書類であることを認識しながら、手続きを進めていた
【CASE 2】
登録支援機関へ在留資格手続きを全面的に任せ、自法人では内容を確認していなかった
【CASE 3】
虚偽や事実と異なる内容を含む申請書類を、十分に確認せずに提出した
【CASE 4】
登録支援機関の法令違反を把握しながら改善しなかった
これらは直ちに処分へつながるとは限りませんが、受入れ機関としての管理責任を果たしていないと評価される要因となり得ます。
改善指導だけでは終わらない可能性も
出入国在留管理庁は、特定技能所属機関が基準を満たしていない場合、改善を求める指導や報告徴収などを行います。
改善が行われない場合や、法令違反が重大・反復継続的である場合には、受入れ機関としての適格性が問題となり、新たな特定技能外国人の受入れや在留資格手続きに影響を及ぼす可能性があります。
また登録支援機関では、支援業務を適正に実施していない場合、登録取消しなどの行政処分の対象となることがあります。
受入れ法人にとっても、委託先の問題は「他社の問題」では済まず、外国人の採用計画そのものへ影響するリスクとして捉える必要があります。
行政からも注意喚起を開始
改正行政書士法の施行後は、出入国在留管理庁や日本行政書士会連合会だけでなく、自治体も受け入れ法人向けに注意喚起を行っています。
例えば茨城県笠間市では、「出入国在留管理庁へ提出する書類を報酬を得て作成できるのは行政書士または弁護士のみ」であることを改めて周知するとともに、「登録支援機関が行政書士へ委託している場合であっても、受入れ企業から報酬を得て書類作成を業として行うことは認められない」と、具体的な例を挙げて注意を呼び掛けています(※)。
さらに、「書類の提出(申請取次)」と「書類の作成」は別制度であることも、分かりやすく整理しています。
こうした周知は、行政書士法改正が行政書士業界だけの問題ではなく、外国人材を受入れている法人全体にコンプライアンスの見直しを求めるものであることを示しています。
外国人本人への影響
不適切な申請は、外国人本人にも大きな影響を与えます。
在留資格の更新や変更の審査が長期化したり、追加資料の提出を求められたりするほか、虚偽申請など重大な問題が認められた場合には本人の在留資格にも影響する可能性があります。
介護現場ではすでに、一人の外国人スタッフが現場運営を支える大きな存在となっているケースも少なくありません。だからこそ、適法な手続きを確実に行うことは、本人だけでなく法人にとっても重要です。
2027年度介護報酬改定を見据えて
現在議論が進む2027年度介護報酬改定では、「人材マネジメント」の質が評価される方向性が示されています。
外国人介護人材についても、採用人数だけでなく教育・定着・法令遵守を含めた組織的なマネジメントが重要になると考えられます。
今回の行政書士法改正は、その流れを先取りするものとも言えるでしょう。
いま、介護事業者が取り組むべきこと
外国人介護人材を安定的に受入れるためには、次のような体制作りが重要です。
■行政書士と登録支援機関の役割を明確にする
■委託先任せにせず、自社でも申請内容を確認する
■契約書や業務フローを定期的に見直す
■人事担当者や管理者へ、法改正の内容を周知する
外国人介護人材の受入れは、採用力だけでなくコンプライアンス体制も評価される時代になっています。
「任せていたから知らなかった」ではなく、「自社でも適正な受入れを管理できている」と胸を張って言える体制を整えることが、今後の持続的な人材確保につながるでしょう。
* * * * * * *
【2027年改定『人材マネジメント評価』対策シリーズ】
第3回 評価・収益化編
「2027年改定を増収に変える『5つの外国人材マネジメント改革』」
2026年7月30日(木)15:00~16:00開催













