外国人介護人材受入れコラム
ヒューマンライフケア株式会社の「特定技能登録支援事業」では、長年の介護事業での実績を活かし、
介護事業者様の外国人介護人材受入れをサポートしています。
このサイトでは、外国人介護人材の受入れに関連するコラムを随時更新してまいります。
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外食から介護へ、人材は流れない?

前回の本コラムにて、外食業分野における特定技能1号の新規受入れが2026年4月13日以降停止されたことについて取り上げました。
今回は、この動きが介護分野に及ぼす影響について、さらに深堀していきます。
外食と介護、それぞれの動向
前回も触れたとおり、今回の措置は外食業分野の特定技能1号在留者数が2026年2月末時点で約4万6,000人に達し、5月頃に受入れ見込数の上限5万人を超える見込みとなったことによるものです。
特定技能制度では分野ごとに受入れ見込数が設定されており、介護分野についても2024年度から2028年度までの5年間で、特定技能1号の受入れ見込数は12万6,900人とされています。 2025年12月末時点で、特定技能の介護分野は6万7,871人となっており、飲食料品製造業に次ぐ規模です。半年前からの増加率も23.6%と高く、今後も伸びが続く可能性があります。
さらに、2027年から本格化する育成就労制度も重要です。育成就労制度では原則3年間の就労を通じて、特定技能1号と同党の水準の技能を持つ人材を育成する制度とされています。つまり、今後の外国人材受入れは「入国してもらう」だけではなく、「育てて、特定技能へ移行し、長く活躍してもらう」設計へ変わります。
介護業界では、この変化がより切実です。厚生労働省は、介護職員について2026年度に約240万人、2040年度には約272万人が必要になると推計しており、2022年度比で2040年度までに約57万人の追加確保が必要としています。 国内採用だけでこの不足を埋めることは難しく、外国人介護人材の活用は今後さらに重要になります。
外食から介護へ、人が流れる可能性は?
外食分野の新規受入れが制限されれば、日本で働きたい外国人材の一部が、他分野を検討する可能性はあります。介護は特定技能の主要分野であり、2025年12月末時点でも大きな在留者数を抱える分野です。
ただし、外食と介護では求められる適性がかなり違います。介護は身体介助、認知症対応、記録、チーム連携、利用者・家族との信頼関係づくりが必要です。さらに日本語力や対人コミュニケーションの負荷も高い。したがって、外食の受入れ停止によって、介護人材が一気に増えると見るのは危険です。
むしろ現実的には、「介護も選択肢に入る人材が少し増えるが、受入れ側の教育・定着体制がない法人には定着しない」という影響の方が大きいでしょう。
国内転職市場はどうなる?
特定技能人材は、条件を満たせば他分野への転職(転籍)が可能です。分野変更には試験の合格やビザの変更申請などが必要になりますが、外食分野の先行きに不安を感じた人材が、将来的に別分野を検討する動きは今後出てくるでしょう。
この時、介護分野が選ばれるかどうかは、給与だけでは決まりません。外食は勤務時間の幅や店舗運営のスピード感があり、介護は夜勤・身体介助・責任の重さがある一方で、資格取得や長期キャリアにつながりやすい面があります。
介護事業者は、単に「人手不足なので来てください」ではなく、
●介護福祉士を目指せる(支援制度がある)
●在留継続の道筋が見える
●生活支援・学習支援がある
●現場で孤立しない体制が整っている
などのメリットを、具体的に示す必要があります。
送り出し国側で「どの分野を選ぶか」の競争が強まる
外食分野の受入れ停止は、送り出し機関や日本語学校にも影響します。これまで外食を希望していた候補者に対し、介護、宿泊、飲食料品製造、ビルクリーニングなど、別分野への進路提案が増える可能性があります。
ここで介護分野が不利になりやすいのは、仕事のイメージです。外食は仕事内容を想像しやすく、都市部勤務の印象も強い。一方、介護は「大変そう」「日本語が難しそう」「夜勤がある」と敬遠されることがあります。
そのため今後は、海外向け採用広報で、介護の仕事を
●社会的意義がある仕事
●資格でキャリアアップできる仕事
●日本で長く働く道がある仕事
として伝えることが重要になります。
育成就労制度との接続で「早期囲い込み」が重要に
出入国在留管理庁は育成就労制度について、制度概要や分野別運用方針を順次公表しており、2026年4月には介護分野の上乗せ基準告示も掲載されています。
育成就労は、特定技能につながる人材育成ルートです。つまり今後は、完成された人材を採用するだけでなく、入国前・入国直後から育て、特定技能へ移行し、介護福祉士取得まで支援する設計が重要になります。
外食分野の停止は、介護事業者にとって「今のうちに採用ルートを作るべき」という警鐘です。制度枠が残っている間に、送り出し機関、登録支援機関、教育機関との連携を強めておく法人ほど、今後有利になります。
介護事業者が取るべき実務対応
介護分野では、次の3つの対応を急ぐべきです。
① 採用計画の前倒し
必要になってから募集するのではなく、1年後・2年後の退職、事業拡大、夜勤体制を見据えて、外国人の受入れ人数を逆算する必要があります。
② 定着支援の見える化
日本語学習や介護福祉士試験対策、生活相談、メンター制度、面談の頻度、キャリアパスを資料化し、常に候補者となる外国人材に提示できる状態にしておきましょう。
③ 「選ばれる職場」としての広報
給与や休日など募集要件についてだけでなく、外国人スタッフの活躍事例や資格取得支援、先輩社員の声、そして地域の暮らしやすさなどを発信することが、採用競争力となります。
現場の教育力を高め、ハラスメントの防止や各種相談窓口の設置、OJTの標準化を図ることなどは、外国人材だけでなく日本人スタッフの働きやすさにもつながり、結果的に定着率の向上につながります。
これからの介護事業者に必要なのは、まず「この施設で働き続けたい」と思える育成・生活・キャリア支援の仕組みを整えることです。
制度が変わる前に受入れ体制を変える、その準備の速さが、今後の人材確保の成否を分けることになるでしょう。
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