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外国人介護人材受入れコラム

 

ヒューマンライフケア特定技能コラム バックナンバー

ヒューマンライフケア株式会社の「特定技能登録支援事業」では、長年の介護事業での実績を活かし、
介護事業者様の外国人介護人材受入れをサポートしています。
このサイトでは、外国人介護人材の受入れに関連するコラムを随時更新してまいります。

 

 

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いま考えるBCP研修の実践―
東日本大震災から15年、
災害時に機能する外国人スタッフを育てる

 

いま考えるBCP研修の実践―東日本大震災から15年、災害時に機能する外国人スタッフを育てる

 

 

明日2026年3月11日、東日本大震災の発生から15年を迎えます。
震災当時、多くの介護施設や高齢者施設が停電・断水・物資不足などの深刻な状況に直面しました。近年も、2024年の能登半島地震をはじめ、日本各地で大規模災害が発生しています。

 

こうした背景を踏まえ、介護業界では災害時でもサービス提供を継続するための「BCP(業務継続計画)」の整備が進められています。
2021年の介護報酬改定により、すべての介護サービス事業所にBCPの策定・研修・訓練の実施が義務化され、2024年度以降は未整備の場合に報酬減算の対象となる制度が導入されました。

 

しかし、BCPを「書類として作成する」だけでは十分ではありません。
特に近年、介護現場では外国人介護人材が急速に増加していることから、災害時に外国人スタッフが適切に機能するための体制作りが重要なテーマになっています。

 

今回は、災害時に外国人介護スタッフが現場の戦力として機能するためのBCP研修の考え方と、具体的な実施ポイントを整理します。

 

 

BCPの目的は「サービス継続」と「命を守ること」

BCP(Business Continuity Plan)は、自然災害や感染症などの緊急事態が発生した場合でも、事業を継続または早期復旧するための計画です。

 

介護施設の場合、BCPの目的は大きく2つあります。

 

利用者の生命・安全を守る
介護サービスを可能な限り継続する

 

厚生労働省のガイドラインでも、地震や水害などの自然災害に備え、発災時に対応できる体制について平時から検討しておくことが重要とされています。
特に介護施設では、

 

避難に時間がかかる利用者が多い
医療機器や薬剤の管理が必要
家族と連絡が取れないケースも起こりうる

 

といった理由から、一般企業以上に事前の訓練と役割分担が重要になります。

 

 

外国人スタッフが「動けなくなる」3つの要因

災害時に外国人スタッフが十分に機能しなくなる原因は、能力ではなく「環境」にあるケースが多いといわれています。
主な要因は次の3つです。

 

①日本特有の災害についての理解不足

日本では地震・津波・台風などの自然災害が頻繁に発生します。
しかし、出身国によっては地震をほとんど経験したことが無いという人も多く、災害発生時の行動イメージが持てないことがあります。

 

②日本語の緊急指示が理解できない

例えば次のような言葉は、日常会話より難易度が高いものです。

 

避難誘導
安否確認
余震
津波警報

 

緊急時にこれらの言葉が理解できないと、判断が遅れる可能性があります。

 

③自分の身の安全と業務の優先順位が分からない

外国人スタッフの多くは「自分が逃げていいのか?」「まず利用者を守るべきか?」といった判断に迷うケースがあります。
そのため、事前に「行動基準」を共有しておくことが重要です。

 

 

外国人スタッフ向けBCP研修のポイント

外国人スタッフを含めたBCP研修では、次の4つの要素が重要です。

 

①やさしい日本語での災害教育

まず重要なのは、災害の基本知識です。
研修では以下について、「やさしい日本語」で明確に説明します。

 

地震が起きた時に取るべき行動
津波警報の意味
避難の優先順位
施設の避難経路

 

例えば「避難誘導」=「みんなを安全な場所へ案内する」など、説明する言葉について配慮することで、理解度が大きく高まります。

 

②役割の明確化(誰が何をするか)

BCPでは、災害時の役割を事前に決めておく必要があります。

【例】

避難誘導
利用者の安否確認
家族への連絡
物資の管理

 

外国人スタッフにも具体的な役割を、それも「サポート役」ではなく「担当者」としてのポジションを割り当てることがポイントです。

 

③日本人側の教育も同時に

多文化チームでは、日本人スタッフ側の理解も不可欠です。
文化の違いによる誤解を防ぐこと、また日本人同士でも人によって異なる意見ややり方などを統一化するよう話し合うことで、現場の雰囲気は大きく変わります。

 

③机上訓練(シミュレーション)

BCP研修では「机上訓練(シミュレーション)」が有効とされています。
例えば、次のようなシナリオです。

 

夜勤中に震度6の地震が発生
停電でエレベーターが停止
津波警報が発令

 

この状況で「誰が何をするか」を、スタッフ全員で確認します。
実際の災害では「知っている」だけでは動けないため、事前のシミュレーションを行っておきましょう。

 

④多言語ツールの整備

以下のツールを整備しておくと、外国人スタッフの行動が安定します。

 

避難マニュアル(やさしい日本語)
災害用ピクトグラム
多言語ハザードマップ
連絡カード

 

これらにより、言語の壁を大きく下げることができます。

 

 

災害時に強い組織は「多国籍チーム」

 

実は、外国人スタッフは災害時に重要な戦力にもなりえます。
理由は3つあります。

 

若いスタッフが多く、体力がある
夜勤などにも対応できる
多言語対応できる

 

例えば、家族への連絡の場面では、外国人スタッフが通訳的な役割を担うことも可能です。
つまり、外国人スタッフは「支援される存在」ではなく、災害対応のチームメンバーとして育成することが重要なのです。

 

 

BCPは「作るもの」ではなく「動かすもの」

 

しかし、本当に重要なのは「現場で機能するBCP」です。
そのためには、

定期的な訓練
役割の更新
外国人スタッフも含めた教育

を継続的に行う必要があります。

 

 

東日本大震災の発生から15年。
災害は「いつか来るもの」ではなく「必ず来るもの」です。

 

外国人介護人材がさらに増えていくこれからの介護現場では、多国籍チームでもしっかりと機能するBCPを構築することが、利用者・スタッフの命と事業継続の両方を守るカギとなるでしょう。

 

 

 

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