外国人介護人材受入れコラム
ヒューマンライフケア株式会社の「特定技能登録支援事業」では、長年の介護事業での実績を活かし、
介護事業者様の外国人介護人材受入れをサポートしています。
このサイトでは、外国人介護人材の受入れに関連するコラムを随時更新してまいります。
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【最新動向】
施設サービス・地域区分の見直しと、
特定技能評価試験から見える人材確保の課題

2026年10月28日(水)に開催された厚生労働省の第272回社会保障審議会介護給付費分科会では、特定施設入居者生活介護や地域区分などが議題となり、今後の施設運営や収益構造に関わる検討が行われました。
一方、10月27日(火)には2026年9月実施分の介護特定技能評価試験の結果が公表されました。国・地域による合格者数や合格率の違いから、外国人介護人材の採用動向と日本語教育の課題が見えてきます。
今回は、10月下旬の新たな動きを中心に、介護事業所の経営者・人事材用責任者が注目すべきポイントを解説します。
施設サービスと地域区分の見直しを検討
10月28日(水)の介護給付費分科会では、2027年度介護報酬改定に向けて、特定施設入居者生活介護、登録施設介護支援、地域区分が課題となりました。
また、2024年度介護報酬改定の効果検証として、高齢者施設と医療機関の連携体制や、離島・中山間地域などにおける各種加算の在り方に関する調査速報値も示されました。
①特定施設入居者生活介護―医療ニーズへの対応とサービス提供体制
介護付有料老人ホームなどが対象となる特定施設入居者生活介護では、入居者の重度化や医療ニーズへの対応が、施設運営上の重要な課題となっています。
高齢者施設では、日常的な健康管理に加え、急変時の対応、医療機関との情報共有、看取りへの対応など、多様な支援が求められます。
今回の審議は、看護・介護職員の配置状況、医療機関との連携体制、入居者の要介護度や医療的ケアの必要性などを把握し、現在のサービス提供体制と運営コストを検証することなどが重要になります。
ただし、今回の会議で新たな加算や報酬単位が確定したわけではなく、具体的な改定内容については今後の議論を確認する必要があります。
②地域区分―事業所の収益と人件費に直結する見直し
地域区分は、地域ごとの人件費の違いを介護報酬に反映する仕組みです。地域区分に応じて1単位当たりの単価が設定されるため、区分の変更は事業所収入に直接影響します。
特に都市部では、介護人材の獲得競争や最低賃金の上昇などを背景に、人件費の確保が大きな経営課題となっています。
一方、地方でも人材不足は深刻であり、利用者数やサービス提供料が同じでも収益が増減する可能性があります。
複数地域に事業所を展開する法人では、地域ごとの給与水準、採用費用、稼働率、利益率などを比較し、報酬改定が経営に与える影響を把握することが重要です。
③医療・介護連携と地域特性への対応
今回公表された2026年度調査の速報値では、高齢者施設と医療機関の連携体制、離島・中山間地域・豪雪地帯などにおける加算の在り方も検証対象となっています。
医療・介護連携では、協力医療機関との連携状況や緊急時の対応体制などが重要な検討材料です。
また、人口減少地域では、利用者の分散や移動距離、人材確保の難しさなど、都市部とは異なる運営上の課題があります。
今後の報酬改定では、サービスの種類だけでなく、地域の実情や医療・介護連携の体制をどのように評価するかが注目されます。
9月の特定技能評価試験で見えた日本語教育の課題
厚生労働省は10月27日、2026年9月に実施された介護特定技能評価試験の結果を公表しました。
全実施国・地域の集計では、介護技能評価試験の受験者7,957人に対し、合格者は6,445人、合格率は約81.0%でした。
一方、介護日本語評価試験は受験者9,059人、合格者5,814人で、合格率は約64.2%でした。
主な試験実施国・地域の結果は次の通りです。
| 実施国・地域 | 技能試験合格者数 | 技能合格率 | 日本語合格率 |
|---|---|---|---|
| ミャンマー | 2,772人 | 95.4% | 70.5% |
| インドネシア | 1,169人 | 88.8% | 66.0% |
| ネパール | 1,003人 | 74.6% | 52.1% |
| 日本国内 | 810人 | 55.9% | 63.9% |
| フィリピン | 170人 | 75.2% | 56.6% |
①ミャンマーが技能試験合格者の約43%を占める
今回、介護技能評価試験の合格者が最も多かったのはミャンマーで2,772人、合格率95.4%でした。全実施国・地域の合格者の約43%を占めています。
インドネシアは1,169人、ネパールは1,003人となり、これら3か国の試験実施地域が合格者数の大きな割合を占めています。
ただし、これは試験実施国・地域別の集計であり、受験者の国籍別構成を示すものではありません。また、合格者数がそのまま日本国内で採用可能な人数を意味するわけでもありません。
採用計画では、現地の送り出し体制や渡航手続き、他国との人材獲得競争なども考慮する必要があります。
②技能と日本語の合格率に大きな差
今回の結果で注目したいのが、介護技能評価試験と介護日本語評価試験の合格率の違いです。
ミャンマーでは技能試験95.4%に対し日本語試験70.5%、ネパールでは技能74.6%に対し日本語52.1%となっています。
両試験の受験者は必ずしも同一ではないため、単純に個人の能力差を示すものではありませんが、介護分野の専門的な日本語習得が課題となる可能性を示しています。
介護現場では、日常会話だけでなく、利用者の状況変化の把握、介護記録の作成、申し送り、緊急時の報告など、専門的な日本語能力が求められます。
採用前の日本語試験対策に加え、入職後も実務に即した日本語教育を継続することが、外国人職員の早期戦力化と安全なサービス提供に繋がります。
③育成就労制度開始―採用から育成・定着への転換
2027年4月1日には、技能実習制度に代わる育成就労制度の施行が予定されています。
育成就労制度では原則3年間の就労を通じて、特定技能1号水準の技能を有する人材を育成する仕組みが導入されます。
これまでの特定技能による採用に加え、今後は育成就労による中長期的な人材育成も視野に入れる必要があります。
今回の評価試験の結果を踏まえると、外国人材の採用では、技能試験の合格者数だけでなく、日本語能力の習得状況や入職後の教育体制が重要になります。
特に、介護福祉士国家試験への学習支援やキャリア形成支援を含め、採用から資格取得、長期的な定着までを一体的に考えることが求められます。
介護報酬改定と外国人材施策に共通する今後の方向性
今回の介護給付費分科会と特定技能評価試験の結果からは、介護事業経営にかかわる二つの変化が読み取れます。
一つは、介護報酬改定に向けて、サービス提供体制や地域特性、医療・介護連携など、事業所ごとの運営環境を踏まえた議論が進んでいることです。
もう一つは、外国人介護人材の確保において、採用人数だけでなく、日本語教育や技能習得、長期的な育成・定着の重要性が高まっていることです。
介護事業者にとって、報酬改定の対応と人材確保は別々の課題ではありません。
安定したサービス提供体制を維持するためには、必要な人材を確保し、育成しながら、適切な人員配置と収益構造を両立させることが不可欠です。
2027年度に向けた制度改正の議論は、今後さらに具体化していきます。
その動向を注視するとともに、「どのようなサービス提供体制を構築し、そこで働く人材をどのように育てていくのか」という視点から、中長期的な事業運営を考えることが、これからの介護経営において重要になるでしょう。
【参照・出典資料】
厚生労働省:第272回社会保障審議会介護給付費分科会(2026年10月28日)会議資料(特定施設・地域区分・調査速報値)
厚生労働省:第33回介護報酬改定検証・研究委員会(2026年10月26日)医療・介護連携、地域加算の調査速報
厚生労働省:2026年9月介護特定技能評価試験結果(10月27日公表)国・地域別の試験結果一覧
厚生労働省:2026年9月介護特定技能評価試験(日本国内実施分)試験結果
※公開日:2026年11月3日













