外国人介護人材受入れコラム
ヒューマンライフケア株式会社の「特定技能登録支援事業」では、長年の介護事業での実績を活かし、
介護事業者様の外国人介護人材受入れをサポートしています。
このサイトでは、外国人介護人材の受入れに関連するコラムを随時更新してまいります。
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26年度上期総括!
27年度介護制度改革と外国人材の行方は?

2026年度も折り返し地点を迎えました。
今年度上半期の介護業界を振り返ると、大きなテーマは「2027年度の制度改革に向けた具体化」と「人材確保策の転換」の2つに集約できます。
2027年度には介護保険制度の見直しと介護報酬改定、さらに技能実習制度に代わる「育成就労制度」の施行が予定されています。つまり2026年度下期は、次の制度が決まるのを待つ期間ではなく、2027年4月を見据えて経営・人事戦略を組み替える期間と考える必要があります。
介護報酬改定の論点がほぼ出揃った上半期
2027年度介護報酬改定については、2026年4月以降、社会保障審議会・介護給付費分科会でサービス種別ごとの議論が本格化しました。
5月には小規模多機能、看護小規模多機能、グループホーム、6月には通所介護や訪問介護、居宅介護支援など、7月には施設系サービスや人口減少地域におけるサービス提供体制、8月には人材確保・処遇改善、生産性向上、BCP、ハラスメント対策、9月には認知症、医療・介護連携、LIFE、口腔・栄養などが取り上げられています。
ここから見えてくるのは、次期改定が単なる「基本報酬を何%上げるか」という議論では終わらない可能性です。
人材不足が深刻化するなか、「限られた人員でサービスを維持する仕組み」「ICT・介護テクノロジーによる生産性向上」「地域の人口動態に応じたサービス提供体制」「医療・介護連携」などが横断的なテーマとなっています。
厚生労働省の推計では、介護職員は2022年度の約215万人に対し、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人が必要とされています。人を増やすだけでは必要数を満たせないという問題が、報酬体系そのものの議論にもつながっていると見るべきでしょう。
9月からは「業界側の要望」を聞く段階へ
9月10日(木)・14日(月)・16日(水)の介護給付費分科会では、2027年度改定に向けた関係団体との意見交換が相次いで実施されました。9月22日付の「福祉新聞」によると、物価高や厳しい経営環境を背景として、関係団体から基本報酬引き上げを求める声が相次いでいます。
一方で、処遇改善、生産性向上、テクノロジー導入なども引き続き重要な論点です。
したがって事業者側は、下期の経営計画を「報酬が上がるか?下がるか?」だけで考えるのではなく、
① 人件費
② 物価・食材寮費
③ ICT・設備投資
④ 加算取得
⑤ 人員配置
をセットでシミュレーションしておく必要があります。
介護保険制度そのものも「給付と負担」の議論へ
もう一つ見逃せないのが、介護保険制度改革です。
9月18日(金)の社会保障審議会介護保険部会では、「第1号保険料の在り方」「持続可能性の確保(給付と負担)」が議論となりました。併せて、介護情報基盤、介護サービス事業社の経営情報の調査・分析、介護給付適正化、介護事業者の連携強化なども報告されています。
利用者の2割負担の対象範囲をどうするかなども検討材料となっており、これは利用者側だけの問題ではありません。自己負担が変わればサービス利用行動にも影響する可能性があるため、居宅・通所・訪問系事業者にとっては利用率や利用回数にも関わる経営テーマです。
現段階では結論が出ていない論点も多いため、下期は「決定事項」と「審議中の事項」を分けて追うことも重要です。
外国人介護人材は「採用」から「育成・キャリア形成」へ
人事採用責任者にとって、2026年度下期最大の準備事項の一つが「育成就労制度」でしょう。
育成就労制度は2027年4月1日の施行予定で、原則3年間の就労を通じて特定技能1号水準の人材を育成・確保する制度です。介護分野でも対象となり、技能実習から外国人材制作の軸足が大きく移ります。
特に実務上注意しておきたいのが「介護分野における特定技能・育成就労協議会」です。
育成就労外国人を受け入れる法人は、育成就労計画の認定申請や在留諸申請の前に協議会の構成員となり、受入事業所情報が登録された入会証明書を取得する必要があります。すでに特定技能外国人の受入れで協議会に加入している事業者でも、育成就労で受入れる場合は別途手続きが必要です。入会証明書発行には通常2〜3週間程度を要する目安も示されています。
つまり、2027年になってから準備を始めるのでは遅い可能性があります。
さらに9月16日の介護給付費分科会では、関係団体から、育成就労制度における介護分野の受入れ上限について、現場の人材需要を踏まえた再検討を求める意見も出ました。現行の受入れ見込み数と将来の介護人材需要との整合性は、今後も注目すべき論点です。
下期に取り組むべき「5つの準備」
では、介護事業者は2026年下期に何をすべきでしょうか。
第1は、2027年度改定を想定した事業別収支シミュレーションです。基本報酬だけでなく、処遇改善、生産性向上関連の評価、人員配置、ICT投資まで含めて、複数のシナリオを作るべきです。
第2は「人材マネジメント」の見える化です。採用人数だけでなく、定着率、離職率、研修実績、資格取得、ICTによる業務時間削減等を数値で把握する体制を整えておくことが重要になります。
第3は育成就労への移行準備です。協議会手続き、採用ルート、育成計画、日本語教育、生活支援、特定技能への移行、介護福祉士取得支援までを1つのキャリアモデルとして設計しておく必要があります。
第4は、外国人材を「人数の補充」と考えないことです。今後は採用競争に加え、本人が職場を選ぶ視点がより重要になります。賃金だけでなく、教育、キャリア形成、日本語支援、相談体制などを含めた「選ばれる職場づくり」が定着を左右します。
そして第5は、制度改正情報を経営会議と採用計画に直結させることです。
2027年度改正・改定と育成就労制度は、別々のテーマではありません。「報酬」「生産性」「人材確保」「外国人材」「地域のサービス提供体制」はすでに一体の問題として動き始めています。
2026年度下期は、情報収集の半年ではなく、制度変更を前提に経営モデルを先回りして組み替える半年です。2027年4月になってから対応するのではなく、この秋から「人材・収支・加算・DX・外国人材育成」を1つの経営戦略として再設計できるかどうかが、次年度以降の事業運営を左右するポイントになりそうです。
【参照・出典資料】
厚生労働省「社会保障審議会(介護給付費分科会)」介護給付費分科会 開催資料・議事録
厚生労働省「第136回社会保障審議会介護保険部会」(2026年9月18日)第136回介護保険部会資料
CBnews「育成就労制度、介護の受け入れ上限数の見直し要望」(2026年9月17日)
福祉新聞「基本報酬増求める声 介護報酬改定に向け関係団体と意見交換」(2026年9月22日)
※公開日:2026年9月29日













