ページ内を移動するためのリンクです

外国人介護人材受入れコラム

 

ヒューマンライフケア特定技能コラム バックナンバー

ヒューマンライフケア株式会社の「特定技能登録支援事業」では、長年の介護事業での実績を活かし、
介護事業者様の外国人介護人材受入れをサポートしています。
このサイトでは、外国人介護人材の受入れに関連するコラムを随時更新してまいります。

 

 

● ● 

68

7月介護給付費分科会から読み解く、経営の方向性

 

7月介護給付費分科会から読み解く、経営の方向性

 

 

2026年7月9日(木)に開催された開催された第260回社会保障審議会介護給付費分科会では、介護報酬改定に向けた個別サービスごとの論点整理が本格化しました。

 

また、7月23日(木)に開催された第261回の分科会においては、人口減少やサービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築など、制度全体に関わる大きなテーマが扱われました。

 

今回はそれぞれの会議資料をもとに、今後の経営戦略や人材育成を考えるうえで注目すべきポイントをまとめます。

 

 

 

「地域で果たす役割」が問われる時代へ

介護保険制度が始まって25年以上が経過した現在、高齢化率は依然として上昇を続ける一方で、生産年齢人口は急速に減少し、介護人材不足はさらに深刻化すると見込まれています。

 

こうした状況の中、厚生労働省は今回の分科会資料において、各施設に求められる本来の役割を改めて整理しています。

 

例えば特別養護老人ホーム(特養)では、重度要介護者の生活の場としての機能に加え、見取りへの対応や、在宅生活を支える拠点としての役割が期待されています。

 

一方、介護老人保健施設(老健)については「在宅復帰・在宅療養支援施設」という制度本来の位置づけを改めて重視する方向性が示されました。

 

また介護医療院については、医療ニーズの高い高齢者に対して長期療養と生活支援を一体的に提供する機能が期待されており、特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム)についても、多様化する高齢者の住まいの一つとして地域包括ケアシステムを支える役割が求められています。

 

つまり、今後の介護報酬では「地域の中でどのような役割を果たしているか?」が、より重視される可能性があります。

 

 

 

看取り・医療ニーズへの対応はさらに重要な評価項目へ

今回の資料で特に目を引くのが、利用者の重度化に関するデータです。

 

特養や介護医療院では医療依存度の高い利用者が増加しており、経管栄養や各痰吸引などの医療的ケアが必要なケースも少なくありません。また、人生の最終段階を施設で迎える利用者も増えており、「看取り」はもはや一部の施設だけの課題ではなくなっています。

 

厚生労働省はこうした状況を踏まえ、医療機関や訪問看護との連携、多職種によるケア体制のほか、もしもの時に望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームなどと話し合い共有するACP(アドバンス・ケア・プランニング/人生会議)の実施状況などについても整理しています。

 

これは単なる「看取り加算」の見直しにとどまらず、「医療と介護をどのように連携させて、質の高いケアを提供しているか」という視点が、今後の評価により反映される可能性を示唆しています。

 

 

 

老健には「在宅復帰支援」の成果がより求められる可能性

介護老人保健施設については「在宅復帰・在宅療養支援等指標」の現状も示されました。

 

老健は「医療機関から自宅へ戻るまでの中間施設」という位置づけですが、実際には長期利用が進んでいる施設も少なくありません。

 

今回の資料では、在宅復帰率やベッド回転率、訪問リハビリテーションや訪問指導などの実施状況が改めて整理され、「在宅復帰を支援する施設」としての機能をどのように評価していくかが重要な論点となっています。

 

これは老健だけの問題ではなく、特養や特定施設も含め、地域包括ケアシステムの中で各施設がどのように連携し、利用者の状況変化に応じたサービスを提供できているかが、今後ますます重視されることになるでしょう。

 

 

 

ICT・介護ロボットは「成果」を問う時代へ

第261回の分科会資料では、各施設類型におけるICT機器や介護ロボットの導入状況、生産性向上に向けた取組状況などが整理されています。

 

興味深いのは、議論の中心が「導入率」ではなく、「導入によって何が改善されたのか」という点へ移っていることです。

 

例えば、

 

記録業務の時間はどれだけ削減できたか
職員の身体的負担は軽減したか
夜間の見守り体制は改善したか
利用者へのケア時間を増やせたか

 

といった「成果」が重視される方向性が示されています。

 

つまり、「ICTを導入したから評価される」のではなく、「ICTを活用してサービスの質や業務効率を向上させた」ことが評価対象となる可能性が高いということです。

 

これは経営者にとって、設備投資そのものではなく、導入後の運用体制や業務改善の仕組みづくりまで含めて考える必要があることを示しています。

 

 

 

「採用」だけで人材不足は解決しない

今回の資料でも、人材不足はすべての施設類型に共通する大きな課題として位置づけられています。

 

しかし、資料から読み取れるのは「人を増やす」ことだけではなく、「限られた人材で質の高いケアを継続できる組織づくり」を重視する方向です。

 

例えば、

 

多職種連携の強化
業務分担の見直し
ICTの活用
ケアの標準化
教育体制の整備

 

などは、単なる人材確保策ではなく、経営改善策として位置づけられています。

 

介護業界は「人が足りないから採用する」という発想になりがちですが、今後は「採用した人材をどう育て、定着させ、能力を発揮できる環境を整えるか」が、より重要な経営課題になるでしょう。

 

 

 

外国人介護人材の受入れにも求められる「育成」の視点

今回の会議資料では外国人介護人材について直接のテーマとした議論は行われていませんが、生産性向上や人材マネジメントの方向性を踏まえると、外国人材の育成・定着も今後の評価と無関係ではないと考えられます。

 

例えば、

 

業務手順の標準化
やさしい日本語による教育
OJT体制の整備
キャリア形成支援
ICTを活用した情報共有

 

といった業務標準化・教育体制整備の取り組みは、外国人・日本人問わず職員の早期戦力化に直結するだけでなく、結果として離職率の定価やサービス品質の安定・向上にもつながります。

 

介護報酬改定では「人員数」だけでなく、「組織として人材を活かせているか」が問われる流れが強まっていることを踏まえると、外国人材の受入れも採用数だけでなく、育成・定着まで見据えた戦略を組めているかが重要になるでしょう。

 

 

 

経営者・人事責任者が今から取り組むべきこと

2027年度介護報酬改定まで、残された時間は決して長くありません。
今回の分科会資料からは、次のような準備を進めておくことが重要だと読み取れます。

 

①自施設の役割を明確にする

地域包括ケアシステムの中で、自施設がどのような役割を担うのかを整理し、地域の医療機関や他の介護事業所との連携を強化することが重要です。

 

②生産性向上を数値で示せるようにする

ICTや介護ロボットの導入だけでなく、業務時間の削減やケア時間の増加など、成果を可視化できる体制を整えましょう。

 

③教育・育成を経営戦略として位置づける

新人教育、日本人・外国人職員の育成、リーダー育成など、人材育成を経営課題として取り組むことが、将来の競争力につながります。

 

④看取り・医療対応体制を見直す

利用者の重度化を見据え、多職種連携やACPの運用、家族支援なども含めた体制の整備を進めておきましょう。

 

 

 

まとめ

2026年7月の介護給付費分科会資料から見えてくるのは、2027年度介護報酬改定が単なる加算の見直しではなく、「介護事業所の経営そのもの」を評価する改定になりつつある、ということです。

 

施設が地域で担う役割、医療との連携、生産性向上、人材育成、サービス品質などを総合的に高めることが、今後の介護経営には欠かせません。

 

介護人材の確保が一段と難しくなる中、「採用できる事業所」だけでなく、「人が定着し、育ち、利用者から選ばれる事業所」であることが、これからの競争力になります。

 

2027年介護報酬改定はまだ議論の途中ですが、制度が固まってから対応を始めるのでは遅いかも知れません。今回の分科会資料は「今から何を準備すべきか」を考えるための重要なメッセージとして受け止める必要があるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒューマンライフケア特定技能Instagram

 

ご相談・お見積りなどお問い合わせはこちらから

 

ページの終わりです